ghibli4
まだ前回の動画を観ていない人は、先に観ることをおすすめします。
徳さんとの対立-ghibli4
魔女の宅急便の宣伝では、配給が東映に戻ったことによって、
再び徳さんが戻ってきました。
鈴木敏夫さんは少しずつ映画の宣伝というものを理解してきて、
段々徳さんのセンスを古臭く感じていました。
徳さんは、魔女の宅急便についても
「かわいい魔女が空を飛んで大活躍するお話」と捉えていました。
しかし鈴木敏夫さんが宮崎駿監督と話し合っていたテーマは
全然違うものでした。
この作品の本質は
「思春期の女の子が親元から離れ、見知らぬ町で自立していく」
という物語です。
糸井重里さんにもそういう意図を説明した上で、コピーを作ってもらうことにしていました。
そして最後には、こんなキャッチコピーが生まれました。
おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。
ただし徳さんは、それがどうしても理解できなかったようです。
こんなんで客が来るわけないだろうと怒りだして、揉めに揉めたそうです。
そもそも誰に見てもらう映画なのかという部分で、
徳さんと鈴木敏夫さんの間にはズレがあったのです。
子供達に見て欲しいとなると、必然的に宣伝の表現も変わってきます。
宣伝とは?
人の作った作品を世の中に売る仕事です。
徳さんはお客さんをバカにしているところがあったそうです。
映画のテーマを深く掘り下げたりしてもしょうがない。
誰にでもわかるパターン化された表現じゃないと、お客には分からない。
そう決めつけていたのです。
しかし鈴木敏夫さんは自分の案の方がうまくいくという確信がありました。
それで随分話し合いを続けて、なんとかコピーについては納得してもらうことができました。
さらに徳さんは、内緒で子供向けの予告編も作っていました。
一悶着あった後、さすがにその予告編は引っ込めてもらうことにしたのです。
日本テレビとの提携もあり、
前作では2本で80万人だった観客が
264万人まで増えたのです。
配給収入は21億7000万円でした。
【⑤】につづく・・・
鈴木敏夫さんの書籍
ghibli4